演習林TOP  FSC  生物資源学研究科  三重大学
紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンスセンター

 沿 革 附帯施設演習林

概 要
 江戸時代は藤堂藩の藩有林であった。演習林入り口付近に存立するスギの大木は,1810年(文化7)に植えられたものである。明治維新で藩籍が奉還されて国有林となり,農商務省が管轄した。
 1925年(大正14)に文部省に移管され,林学に関する実験・研究,学生森林演習を行うことを目的として,三重農林専門学校附属演習林が置かれた。
 1949年(昭和24)三重大学農学部附属演習林となり,1987年(昭和62)農学部と水産学部を統合した生物資源学部の発足に伴い,三重大学生物資源学部附属演習林となった。
 2002年(平成14)学部附属紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンスセンター発足にともないセンターの附帯施設演習林となった。
 2004年(平成16)国立大学法人化にともない,国有林から民有林となり,地域森林計画に組み込まれることとなる(中勢地域)。
 2006年(平成18)大学院化にともない三重大学大学院生物資源学研究科附属紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンスセンター附帯施設演習林となった。

経営および管理の沿革
 かっては安濃津(現在の津市)の領主藤堂氏の領地として,治山治水のために自由伐採が禁じられ,厳重な管理が行われてきた。
 廃藩置県後国有林(亀山事業区11〜18林班)となり,保安林としての施業が行われてきた。大正14年2月にこの454.08haが演習林として移管されたが,その際引きついだ大正8年における施業計画の要旨は次の通りである。
(1)スギ,ヒノキ皆伐用材林作業級,輪伐期100年。
(2)年伐面積4.51ha,ただし同一個所で5年継続伐採後隔離した個所に移る。
(3)伐採跡地は,伐採の翌年その適地に従いスギ,ヒノキをha当たり4,350本植栽する。
 この施業計画は,搬出施設不備のため実行できず,昭和23年の保安林解除に至るまでは,たかだか1〜2haの立木処分が行われたに過ぎない。昭和19年,林道敷地0.298haが地元より寄贈され,昭和22年林道の開設と共に保安林解除の見通しも得られたため,演習林として最初の施業計画が編成された。
 この施業計画(第1期)は第二次世界大戦直後における窮迫した国内の食糧難と人口過剰問題を反映して,農業および牧畜をも部分的に導入したものであったが,その後の情勢変化に伴ってその特異性を失い,年伐材積約2,780m3という指定のみが施業の一応の基準とされたに過ぎない。
 昭和29年,林種改良に重点をおく施業計画(第2期)が編成され,これに基づく施業が主として西俣において行われた。この間,昭和30年に演習林内部に介在した民有地2.578haを購入した。
 昭和34年編成の施業計画(第3期)は全計画を受けつぐものであったが,同年9月伊勢湾台風に襲われ,その甚大な被害に対処するため,翌35年に(1)施業の重点を東俣に移す。(2)西俣天然林の一部を制限林に追加する。を基本方針として臨時編成が行われた。しかしこの施業計画の実行は,その後うち続いた気象災害によって少なからず阻害された。
 昭和39年以降2期にわたる施業計画(第4,第5)はいずれも前計画を受けつぎ,伐採はおおむね東俣において行われた。昭和47年,自然保護,環境保全等の必要に基づき,天然生林の伐採を中止し,残余一年間の主伐を人工林で行うこととし,次期施業計画を1年繰り上げて編成した。
 昭和48年編成の施業計画(第6期)は(1)天然生林の伐採を中止する。(2)演習林全体を試験林という考え方をし,特別の目的を持つ試験地については演習林会議の承認を得る。(3)保続を考慮し,輪伐期,改良期については,施業計画編成委員会で検討する,等の方針に沿って編成された。この結果,制限林地が130.39ha(林地面積の29.8%)から276.05ha(63.1%)に拡大されるとともに,輪伐期が60年から100年へと延長された。
 昭和53年編成の施業計画(第7期)は前計画の方針を受け継ぐものであったが,附属農場苗畑の土壌条件により優良苗木の生産が困難であるためその生産を中止し,当分の間1年生苗を他から購入して,山出し苗の生産を川上地区の民有地を借用して行うこととなった。
 昭和58年編成の施業計画(第8期)は前計画を受け継いだものであったが,一部地種を変更した。その結果第7期の計画に比べて,普通林地4.59ha減,制限林地0.06ha増,除地4.53ha増となった。また,改良期を延長し20年とした。本施業期間内に自動車道全線(2,060m)と西俣土場の一部(420m2)が舗装された。昭和61年には量水堰堤が7林班と小班に建設され,ぬたの谷流域の量水観測が昭和62年3月より開始された。
 昭和63年編成の施業計画(第9期)は前計画の方針を踏襲するものであったが,一部地種を変更した。その結果第8期の計画に比べて,普通林地1.84ha増,制限林地1.84ha減となった。早期に100年輪伐期の体制を整えるために,改良期を延長し60年とした。本施業期間内に東俣土場が舗装され,西俣土場には機材置き場兼管理室が新設された。また,経営の合理化を図るため高密路網計画を行い,本期に作業道990mを開設した。
 平成5年編成の施業計画(第10期)も前計画の方針を踏襲するものであったが,一部地種を変更した。その結果第9期の計画に比べて,普通林地0.39ha減,除地0.39ha増となった。また,平成2年度に着手した9〜11林班内の作業道の開設(総延長1524m)は平成6年に完成したが,平成6年9月29日から30日の台風26号によって,各所で甚大な被害を受け,復旧の見通しが立っていないままである。
第11期(平成10年度〜平成14年度)教育研究計画調書より

Updated: Apr. 2006.
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